Webサイト制作に携わる職種とその役割

最終更新日 2020/10/15
Webサイト制作に携わる職種とその役割

Webサイト制作を進めるにあたって、多くの職種の人々と進行することになります。 しかし、実際にはどのような業務を行っているかイメージがつかない人も多いのでは? 今回は職種の役割と具体的な業務内容をご紹介します。

Webサイト制作に携わる職種とその役割

Web制作に携わる職種

Web制作の技術や手法は常に進化しており、常に年新たな業務が生まれています。それに伴って職種も高度化、細分化されています。
まずは、主なWeb制作で携わる職種をご紹介します。
所属する会社やプロジェクトにより呼び名や業務範囲が異なるため、大まかな分類として理解いただければと思います。

企画管理系の職種

Web制作を進める上での計画や監修を務める職種です。
案件を進める上での案件の確保やメンバーへのアサインなども行います。

営業

契約を獲得するためアプローチから会社紹介、提案、見積もりの作成まで担当します。
Webサイトの作り方そのものというよりも、WebマーケティングやWebサイトのトレンドといった広範囲の知識と経験が必要とされます。
アウトプット:提案書、見積り書など

Webプロデューサー

サイト全体の方向性を決定し、メンバーのアサインや大まかなスケジューリング、予算調整などを担当します。
Web制作会社によっては営業が兼ねているケースもあります。
依頼主としては、発注までの提案前後は、営業もしくはWebプロデューサーとやり取りを行うことになります。
アウトプット:提案書、見積り書など

Webプランナー

サイトの企画立案を担当します。
Web制作における必要な知識は多岐にわたるため、プランナーの中でも得意領域にわけて担当が存在する場合もあります。
 ・Webコンテンツプランナー…Webサイトにどのようなコンテンツを企画し、掲載するべきかを考える担当
アウトプット:提案書、企画書、サイトマップなど

Webディレクター

実作業を行うメンバーの監督を担当します。現場監督といった表現をされる場合もあります。
サイト自体の設計から作業の進行管理、作業者への指示出しやスケジュールや予算調整に至るまで対応領域は多岐にわたります。
依頼主としては、発注後の制作フェーズに入った場合はWebディレクターとのやり取りが中心になります。
アウトプット:提案書、企画書、仕様書、要件定義書、サイトマップ、ワイヤーフレームなど

デザイン・制作系職種

Web制作する上で必要となる部品の一つ一つから、サイト全体のヴィジュアルまで制作します。プロデューサーやディレクターと調整しながら業務を進めます。

UXデザイナー

UXとはUser Xperienceの略でサイトを利用するユーザーが得られる体験全体をデザイン、設計する担当です。
どの様なユーザーに対して、サービスや情報をどういったタイミングで接するかを設計し、その接点においてどのような体験をしてもらうかを設計する役割を担います。
実務としてはリサーチやメディア、デバイス、ユーザーインターフェース、デザインといった幅広い知識と経験が必要です。
近年「デザイン経営」といったキーワードとともに注目されている職種です。
アウトプット:提案書、企画書、調査報告書、モックアップなど

アートディレクター

Webサイトのみならず、プロジェクト全般における制作物の見た目に関するクオリティを管理、監督します。
デザイナーが作成した制作物がその商品、ブランドのイメージに沿っているか、マーケティングに寄与できているかといったチェックを行うイメージです。
アウトプット:提案書、デザイン趣意書など

テクニカルディレクター

Webサイト制作における技術面の管理監督を担当します。
Webサイトとして構築するために技術面に関与し、提案内容の実装可否判断や制作時のクオリティチェックといった業務を担当します。
依頼主としては、元のシステムの連携が必要であったり、サーバーの移管が必要であったりした場合の対応者となります。
技術の難易度によっては、発注側のシステム担当者とのやりとりも発生する場合があるでしょう。
アウトプット:要件定義書、仕様書、サーバー構成図など

Webライター

テキスト部分のライティングを担当します。
Webライターにおいては、紙面のライターとは異なり、SEOに配慮したライティングスキルが必要となります。
Webサイトならではのデバイスごとに代わるレイアウトの変化やブラウザで閲覧できるHTMLファイルへの変換を考慮したライティングを行います。
アウトプット:原稿

UIデザイナー

UIとはUser Interfaceの略で、ユーザーが接する接点をデザインする担当となります。目指すUXを実現するため、情報設計、ビジュアル作成、エンジニアリングの知見を活かし、デザインする役割を担っています。
Webやアプリ制作の文脈でよく耳にする職種ですが、それ以外でも銀行のATMやエレベーターのボタンといった場面で活躍します。
アウトプット:デザインカンプ、モックアップ

Webデザイナー

Webディレクターやアートディレクターの監督のもと、デザインの作成を行います。
ページのレイアウトや細かな表現企画を考えて、表現を行う実務部分を担当します。
主にAdobe社のデザインツールを使い、確認可能なカンプデータ(デザインデータ)を作成します。
アウトプット:デザインカンプ

実装・開発系の職種

制作されたデザインからHTMLやCSSを用いてプログラミングを行います。案件内容によって実装後の運用なども必要になるため業務範囲が異なります。

マークアッパー(デベロッパー)

Webデザイナーが作成したデザインデータをもとにブラウザで表示できるようHTMLというファイルに変換します。
デバイスごとに適した見た目になるように構造化し、見た目のデザインに差異がないように装飾が表現できるようにブラウザが読み込めるように記述を行う担当です。
単純にデザインを実現するだけでなく、将来起こりうるメンテンナンスの効率に配慮したり、検索結果に正しく反映されるように構造を考える役割もあります。
アウトプット:HTMLデータ

フロントエンドエンジニア

Webサイト制作ではクライアントと呼ばれるブラウザで動作するプログラミング部分を担当します。
一般的にわかりやすい例としては、バナーがスライドしている挙動や、少し動きのあるサイトでの、その動作部分の制作を担当するイメージです。
昨今の技術の進歩により、複雑な処理も実現可能になっており、後で紹介するサーバーサイドエンジニアとの境目が分かりづらくなっています。
アウトプット:スクリプト、HTMLデータ

バックエンドエンジニア(サーバーサイドエンジニア)

Webサイトのサーバーで挙動する動作部分のプログラミングを担当します。
一般的にわかりやすい例としては、会員サイトでログインした際に登録情報を表示したり、ネットショップで決済処理を行うシステムを開発するなどがあります。
アウトプット:スクリプト

インフラエンジニア

サーバーと呼ばれるWebサイトのデータを格納し、公開する環境を構築します。
主にサーバーに関する設定を行います。サーバー設定とは、フロントエンドエンジニアが作成したファイルや、バックエンドエンジニアが作成したプログラムが動作する環境を整える作業を指します。
その他にも、ロードバランサーといわれる、多数のユーザーが同時に接続したような場合でも、問題ない閲覧を可能にする装置の設定。セキュリティ向上のために外部からのアクセス設定などの設定も併せて対応します。
その他には、ユーザーがアクセスしやすいようドメインの設定を行ったりもします。
小規模な制作会社では、バックエンドエンジニアがインフラエンジニアの作業を兼ねて行う場合もあります。

テスター(デバッカー)

制作完了したページの見え方やシステムの挙動チェックを担当します。
デザイン通りにマークアップができているか、システムの仕様通りに機能が実装されているか、といった検証を行います。
事前の仕様書をもとにテストの流れを設計し、実際に実機を用いながらチェックを行い、バグといわれる不具合があれば各担当に対してフィードバックを行う役割を担っています。
アウトプット:デバック設計書、デバックシート

まとめ

Web制作の職種を明確に定義するのは、役割が重複していたり、制作会社によって呼び名が行っていたりするため、とても難しいです。
プロジェクト開始時には、制作会社より体制図を提出してもらい、どのような役割の人員がいるのかを理解し、効率よくコミュニケーションをしましょう。

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