制作会社が教えるWebサイトのリアル見積書!Web見積もり項目

最終更新日 2023/10/11
制作会社が教えるWebサイトのリアル見積書!Web見積もり項目

Web制作会社が見積もり作成の考え方から見積書の項目をご紹介。見積書の項目に過不足がないのか?金額が妥当かチェックしてみてください。

制作会社が教えるWebサイトのリアル見積書!Web見積もり項目

サイト制作における見積書の特徴と価格の決まり方

見積もりは購買の決定や業者の比較検討において大切です。まずはサイト制作の見積もりならではの特徴とその理由を理解しましょう。
 

 
「サイト制作」の見積もりならではの特徴

サイト制作の見積もりにおける特徴を理解していただくために、車の見積もりと比較して説明します。

車を購入する際の見積もりでは、車種や外装、内装、オプションなどを確定し見積もりが作成されます。また、車は不良品でない限り走行できるはずです。

しかし、Webサイトは無形物の商材です。そのため、見積もりの時点では、成果を担保するものがありません。大枠が決まっていたり、制作会社からの提案書はあるかもしれませんが、最終納品物はサイト公開日までわかりません。また、そのサイトの効果も公開後でないと確定しません。

比較すると以下の三点が大きく異なります。
 
 

車のお見積もり Webサイトの見積もり
成果物のクオリティ スペックは詳細に確定 不明確
成果物の量(ページ) 数量として確定 不確定
成果物がもたらす効果 確実に走る 効果は保証しない

 
Web制作における成果物が不確定、不明瞭だと、見積もりの作成が困難となり、実際の成果物と差異が出やすくなります。
そこで、制作会社は成果物の量と質を担保する根拠として、二通りの考え方で見積もりを作成します。
次は、この二つの見積もりの根拠について説明します。
 
 

見積もりの二通りの決まり方
1つ目:作業単価で見積もりを作成するパターン

 
作業単価による見積もりとは?
Webサイトの制作にはたくさんの作業工程がありますが、その工程の最小単位の単価を設定し、その単価×数量を計算し見積もりを作成する方法です
 

例:3ページを制作する場合

制作に必要な工程 単価 数量 小計
デザイン 3万円 3 9万円
コーディング 2万円 3 6万円
合計 15万円

 
この見積もり方法は、サイトリニューアルやコンテンツ追加など、ページ数や、詳細が決定している場合に適しています。その他には以下のメリット、デメリットがあります。

●メリット
・1ページあたりに値段がついているので各ページの費用がわかりやすい
・ページの増減も数量を変更するだけでよいため計算が用意

●デメリット
・項目ごとの単価が必要なため見積書が煩雑になりがち
・ページ単価には変更や修正の費用は含まれないため、変更や修正に追加費用が必要
 

2つ目:工数単価で見積もりを作成するパターン


工数単価による見積もりとは?
工数とは、各工程の作業に必要な時間のことで、工数単価とはその作業人員を一定時間確保するために必要な費用を指します。一日確保するための単価を人日、一時間確保するための単価を人時と言います。工数単価の見積もり方は、職種や作業工程ごとに時間を見積もり、それらに必要な工数単価をかけてに価格を決めます。

例:3ページを制作する場合

制作に必要な工程 人日単価 工数 小計
デザイン 4万円 2 8万円
コーディング 3.5万円 2 7万円
合計 15万円

 
この見積もり手法は、詳細な制作分量が見えない大規模サイトやシステムの詳細な仕様が決まりづらいサービス開発に適しています。
その他には以下のメリット、デメリットがあります。

メリット
・工数内であれば、制作時に発生した不確定の事態に対応することができる

デメリット
・不確定な要素が多いほど、リスクも考慮し余裕を持たせた見積書になるので値段高くなる傾向

以上が主な見積もりの決まり方です。それぞれにメリットやデメリットがあります。制作予定のサイトに適した形で見積もりの提案依頼をすると後々比較がしやすいでしょう。

見積書の項目をご紹介

Web制作の見積書に出てくる項目について説明します。知らない項目はチェックしておきましょう。

項目説明

項目名 小項目 相場 説明
進行管理費 制作費の10% 制作を進める進行役「Webディレクター」や「PM(プロジェクトマジャー)」の人件費です。プロジェクトを遂行するための人員やクオリティ管理を行います。
ディレクション費 制作費の10〜30% 情報のとりまとめ、企画やコンセプトの作成費用です。サイト設計も含まれることがあり、ディレクション作業の多さで決定します。
進行管理費用に含まれる場合があります。
分析 25,000円〜 現状のサイトの分析や企業の分析をする費用です。この分析をもとにプランニングも行われるため、重要な項目です。
調査 25,000円〜 競合にあたる企業の調査等をします。調査の作業量によって費用も変化します。
プランニング 10万円〜 企画やコンセプトを決めたりする費用です。サイト制作を行う上で重要な項目です。
SEO対策 10万円〜 分析・調査を行った上で、検索上位をとるために、キーワードを選定する費用です。よく検索されるキーワードを網羅することで、検索上位に上がってきます。費用としてはページ数などにも比例します。
サイト設計 20万円〜
サイト規模による
サイトマップや、ワイヤーフレーム制作など設計に必要な費用の総称です。 ※制作会社の場合項目を分けていることが多いです。 ※進行管理費やディレクション費に含まれることがあります。
サイトマップ 20,000円〜 Webサイトの構造を一覧にした図を制作して、ページの階層構造やページ数を明確するドキュメント制作費用です。
ワイヤーフレーム作成 1ページ
5,000円〜
Webサイトの設計図となるものを制作する費用です。ページの種類数によって制作する量が変化します。ページごとに費用がかかることが多いです。
コンテンツ案 50,000円〜 コンテンツ企画を策定する費用です。
コンテンツ作成 10,000円〜 コンテンツ作成の費用です。コンテンツの内容、量によって変化します。
素材作成・購入費 素材を制作・購入する費用です。
取材 1ページ
5,000円〜
取材に必要な費用です。取材費もかかります。
ライティング 1ページ
5,000円〜
文章作成費用です。文章量やクオリティによっては1ページで10万円を超える場合もあります。
撮影 30,000円〜 カメラマンによって価格とクオリティは大きく変わります。スタジオを借りる場合は別で費用がかかります。人物撮影では、メイクや衣装の準備が必要であればスタイリング費用が必要です。
イラスト 1枚
5,000円〜
イラストの作成費です。イラストの大きさ、イラストレーターの知名度、カラーかモノクロかによっても費用は変わります。イラストの枚数によって費用は変化します。
作図 1枚
3,000円〜
図を作成する費用です。テキストでは表現が難しい場合に作成します。イラストよりも、一枚あたりの費用に差は出ません。
デザイン ベースデザイン 10万円~ サイトの基本路線を決定するデザインを作成する費用です。多くの場合TOPページのデザインとあわせて行われます。
PCとスマホでデザインする必要がある場合はそれぞれ費用がかかります。
下層ページ ベースデザインを踏襲して、その他ページのビジュアライズする費用です。ページのボリュームや作り込み量によって単価が変わります。
PCとスマホでデザインする必要がある場合はそれぞれ費用がかかります。
コーディング ベースページ トップページ
50,000円〜
デザインをHTML、CSS等を使用してWeb上に閲覧できるようにする工程です。スマホ対応の場合、PCとスマホのコーディングをするため、それぞれで費用がかかります。
下層ページ ページ単価
10,000円〜
比較的にトップページが高くなり、下層ページが安くなります。トップページが高くなるのは機能や見た目に注力されるからです。
JavaScript 1種類
20,000円〜
アニメーションやサイトの機能によって変化します。アニメーションすることによって、操作しやすくなります。共通部分は追加費用がかからない場合もあります。
多言語対応 50万〜 外国語に対応したページ制作の費用です。翻訳とその流し込みの作業となっています。ページの量によっても費用は変化します。また、項目全体の数十%という費用で対応している制作会社もあります。基本的には、日本語ページの見積もりと比例します。
環境構築 サーバー設定 50,000円〜 サイト公開のためのサーバー環境を整える作業費用です。
ドメイン設定 25,000円〜 ネット上の住所にあたる部分を取得し、インターネット上で公開する準備を整えるための費用です。
機能実装 CMSのインストール 20,000円〜 この工程ではCMS(WordPress)などの機能実装を行います。CMSのインストール代になります。
カスタマイズ 30,000円〜 CMSをカスタマイズして、制作したサイトで反映されるようにします。カスタマイズの規模により大きく変動します。
フォームの作成 30,000円〜 お問い合わせの機能を実装するためのフォームを作成します。有料プラグインを導入する場合、追加費用が必要になります。
SSL設定 30,000円〜 セキュリティ向上のためサーバーとの通信を暗号化する設定費用です。設定する場合は設定費用の他に年間契約費用が必要です。SSLの契約は1年ごとに更新するものが多いので、更新ごとに費用が必要です。
テスト (検証費) (デバッグ作業) 50,000円〜 制作したWebサイトがWeb上で正常に動作するかを確認する工程です。機能全般の確認と、誤字脱字の確認をします。機能が多ければテストとしての費用も高くなります。
運用講義 50,000円〜 サイトを運用していくための、機能の説明や使用方法を講義形式で伝授する項目です。2時間という時間を区切った形で行います。
マニュアル作成費 10万円〜 サイトを管理するためのマニュアルを制作するのに必要な費用です。

見積書を確認する際に注意するポイント


 

わからない項目は聞く

見積もりの中でわからない項目が出てきた場合は、制作会社に聞きましょう。聞かないことは、不要な仕様を入れるリスクにもつながります。見積書は細かく確認してください。
 

見積もりを安くするポイント

 
同じ条件で見積もり依頼しているのに、制作会社によって見積もりや項目に差異が出てくる場合があります。それは何故なのでしょうか。そこを詳しく紹介した記事を下記リンクに貼っています。よろしければご覧ください。

Webサイト制作の見積もり金額に違いが出る理由とその対策
https://goodproductionsjp.com/posts/Website-guide/cost-down/

まとめ

見積もりに記載されている項目や価格が妥当かを確認する上でもチェックは必要です。見積もりを確認される場合は、この記事を参考にしてみてください。

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